第1巡:討論:川崎 担当分

トップページ >> 授業概要 >> 基礎プロジェクト2 >>
発表:2003/05/01

シミュレーション基礎プロジェクト2
第一巡 「限界を超えて」討論

30786 川崎真弘

問題提起1
『1992年に書かれた「限界を超えて」だが、書かれてから10年が過ぎた今、世界は行き 過ぎから引き返そうと努力してきたのか?そして、これから我々に必要なのは何なのか?』 下にできるだけ最新のデータを列記した。(総務省統計局・世界の統計2003より抜粋)

*世界人口の増加率はやや下降ぎみではあるが、今なお成長しつづけている。 ちなみに2003年4月30日午後4時現在の世界人口は6,382,169,322人である。(世界の 人口カウンターより)

農業生産指数 水産物生産量
(1989〜91年=100)  
1人当たり食料 (単位1000t)
1995199819992000 199519992000
 
102.3106.8108.3108.2 124,423137,451141,783

*一人あたりの食料生産は安定化してきたが、総人口の増加のために、総生産は増加し つづけている。ただ、耕地面積は0.6%ほどの減少を見せている。
*1990〜2000年で失われた森林の合計は86,930,000haにものぼる。 2000年の木材生産量は3,352,470,000m3であり、前年比は+1.86%である。
*2002年度の絶滅種、絶滅危惧種はそれぞれ、485種、13,216種にものぼる。

国(地域)年次総計(石油換算1000t)1人当たり(kg)
世界のエネルギー消費量 968,337,5621,452
978,352,6481,435
988,309,8131,404

*世界のエネルギー消費量は徐々に減ってきている。消費過程において効率化が進んでい ると考えられる。

鉱工業生産指数(1)
(1995年=100)
産業 1994199619971998199920002001
 
総合 96.3103.2108.3110113.2121118.5
鉱業 98.1103.3105105.1103106.7107.4
製造業 96.1103.1108.9110.7114.4123119.8
電気・ガス・水道業 96.6103.8105.6107.4110.8114.8115.7

※ラスパイレス式による1995年基準指数。「世界」の数値は、米ドルの実質価格に換算した 付加価値額。

国内総生産の実質成長率(1)
(単位 %)
国(地域)1993199419951996 19971998199920002001
 
世界2.9544.6 4.22.53.54.3...
14−1 二酸化炭素排出量(単位100万t)
国(地域) 199019931994199519961997
世界 20,87021,13821,20721,66822,37522,561
OECD諸国11,17611,43511,57211,72512,12112,235
非OECD諸国 9,694 9,703 9,635 9,94210,25310,326
14−2 二酸化硫黄濃度(1)
 基準年相対濃度(基準年=100)
国(地域) 平均値(μg/m3) 198019901994199519961997
日本 1985 19.0 132100848989...
アメリカ 1985 26.0 1158877626258
イギリス 1985 41.2 11286605954...
スペイン 1986 41.5 ...8656464433
ベルギー 1985 46.0 1095748524637
14−3 二酸化窒素濃度(1)
 基準年相対濃度(基準年=100)
国(地域) 平均値(μg/m3) 198019901994199519961997
日本 1985 35.0 106111114117117...
アメリカ 1985 47.0 1069491878783
スペイン 1987 68.5 ...11783778483
ドイツ 1985 52.0 928577777985
ベルギー 1985 54.0 989476788381

 *上は温室効果ガスであるCO2、酸性雨の原因であるSO2、NO2に関する統計である。 CO2は増加しているが、その増加率は減少しており、SO2,NO2ともに、序所に減って きているのが見て取れる。


 以上が「限界を超えて」から10年が経過した世界の姿であるが、いまだ成長のあとは見ら れる。特に人口増加の点においては、幾何級数的増加をしているようなふるまいを見せて いる。しかし、この増加曲線が、人口安定化目標なしの成長によるものなのか、年齢別人 口構成の勢いによって徐々に安定化に向かおうとする姿なのかは不確かである。ただ、今 現在明らかなのは、途上国、特にサハラ以南のアフリカ諸国、西アジア、南アジア諸国に おいてはいまだ人口爆発の傾向が顕著であるということである。「限界を超えて」における 13のシナリオが示すように、人口政策は持続可能な社会にとって不可欠である。汚染物質 の排出量が(少なくともCO2やNO2、SO2は)減少する様子を見せているだけに、早急な人 口政策が必要である。

問題提起2
『今、真に求められているのは、人間性の改革か、シミュレーションなどの技術の発展か』

「限界を超えて」には、こう書かれている。
「…持続可能な世界をいかに実現するかは、リーダーシップ、倫理、ヴィジョン、勇気の問 題である。それは、…人間の心と魂が持つ特性なのである。」
また、8章においても、
「…持続可能な社会を実現する唯一の方法としてではなく、数ある方法の中の一部として… ヴィジョンを描くこと、ネットワーク作り、真実を語ること、学ぶこと、そして愛するこ とである。」
とも書かれている。つまりは持続可能な社会を作るには、人間個人のヴィジョン、勇気、 そして極めつけは愛、というように心的な要素が不可欠といっている。また、コンピュー タ・モデルによる合理的分析も有効であると述べて、人間の心的な要素を「数ある方法の一 部として」と断ってはいるが、筆者がヴィジョンや勇気を最重要視しているのは、明らかだ。
 しかし、本当に人間一人一人の意識改革がなし得るのだろうか。人間の意識改革がある 程度必要なことは認める。コンピュータ・モデルを動かすのも、新たな技術を開発するの も、人間だからだ。だが、世界中の人間の意識となると不可能に近いと思われる。人間の 意識を変えるにはまず、政治・社会・経済システムなどの改造が先決である。そのために は、シミュレーション・モデルによる分析が有効である。より現実に近いシミュレーショ ンが可能なモデルを開発し、政界、財界のリーダーに構造改革の必要性を訴えかける。ま た、見方によってはやや悲観的でもある、より現実に近いシミュレーション結果は、環境 保護団体を動かし、政府、企業に圧力をかけるのに十分であると思われる。このように、 人間の心的改革を訴えかけるよりも、(シミュレーション)技術の発展に力をそそぐほうが、 現実的である。早急な変革が求められている現在、非現実的な‘5つの手段’より、(技術 革新に必要な部分もあるが、)現実的に可能と思われる、あらゆる分野での技術革新(ただ し、持続可能なものでないといけない)のほうが、世界を行き過ぎから引き戻すに有効で あると思う。

以上

参考文献
・総務省統計局・世界の統計2003 http://www.stat.go.jp/data/sekai/index.htm
・世界の人口カウンター http://www.ipss.go.jp/Japanese/link/wpf2.html

administrated by umekkii -> admin@umekkii.jp