第2巡:総括:岡田 担当分

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発表:2003/06/05

基礎プロジェクト2 総括レポート
「知識創造企業」

30780 岡田 裕介

1.内容

 第1章は、組織的知識創造について述べる。組織的知識創造とは、組織要員が作り 出した知識を、組織全体で製品やサービスや業務システムに具現化することであり、 この技術が日本企業成功の最大の要因であると本書はしている。西洋で競争力の源泉 としての知識に注目があつまり議論がなされている。日本的知識創造の特徴といえば、 日本人の知識観が知識とは個人的で形式化しにくく、伝達・共有は困難であるという 「暗黙知」の考えをもつということである。対して西洋では、知識は形式的・体系的 な「形式知」として捉えられている。この本は、日本と西洋の経営実践を統合し新た な企業経営の普遍的モデルを作ることを目的としている。
 第2章は、日本と西洋の認識論の発達の違いについてのべている。結論として、西 洋の理論のほとんどは知識そのものに触れていないか、知識創造の議論に至っていな い。
 第3章は、どうしたら組織的知識創造がうまくいくかについて述べる。知識の創造が 暗黙知と形式知の相互作用によってなされるとき、4つの知識変換モードがある。共 同化、表出化、連結化、内面化である。これによって創造される知識が相互に作用し て知識創造にスパイラルを形成する。この知識創造のプロセスは、暗黙知の共有、コ ンセプトの創造、コンセプトの正当化、原型の構築、知識の転移、の5つのフェイズ からなる。
 第4章は、第3章の実例として松下電器の例をあげている。ここでは、ホームベー カリーの開発にあたり、上の5つのフェイズを3回循環することになる。
 第5章は、経営プロセスのあり方を述べる。まずはトップダウン・マネジメント、 ボトムアップ・マネジメントについて説明してある。そして、著者らが主張するミド ルアップ・マネジメントという新たな経営プロセスがより優れているとのべている。 そしてそれに伴いあらたな肩書きとして、知識創造に従事する人を指す「ナレッジ・ クリエイティング・クルー」、第1線の社員の「ナレッジ・プラクティショナー」、ミ ドルマネージャーに相当する「ナレッジ・エンジニア」、トップマネージャーに相当す る「ナレッジ・オフィサー」である。
 第6章は、ミドルアップ・マネジメントが機能するための支えとなるハイパーテキ スト型組織というものを紹介している。これは、ビュロクラシーとタスクフォースを 統合した組織である。
 第7章は、グローバル化にともなう日本企業の経営プロセスの問題について述べて いる。ここでは、日産と三菱の例が挙げられている。
 第8章は、この本が述べてきた組織的知識創造についての発見をまとめ、それを実 践する見方と理論的な見方の両方から論じている。

2.討論

・組織的知識創造は日本企業の成功の最大の要因であるか?

たしかに組織的知識創造はイノベーションの重要な鍵であるが、それだけではなく企 業と顧客、官庁との協力、終身雇用年功制などもなくてはならないものであり、最大 の要因というのは言いすぎと思われる。

・形式知は伝達・共有は容易であり、暗黙知は伝達・共有は困難であるか?

このような疑問も出されたが、私はこのことについては間違ってはいないと考える。 形式知と暗黙知の厳密な線引きはできないだろうが、やはり暗黙知は個人的な体験や 学習によるものが大きく、伝達・共有は困難であろう。

・新たな知識の創造にあたって、知識は自分で作り出すのであって組織メンバー間の 濃密な交流努力は必要であるか?

この疑問にも、私は必要であると考える。何かを発見する瞬間は一人であることもあ るだろうが、それまでのプロセスは周囲の人間の考えや発見を使って新たな知識が生 まれると思う。それと同じようにチームワークの重要性についても議論があったが、 それは仕事の時間とプライベートの時間をどうするかということであった。仕事のメ ンバーと仕事の時間以外での交流は、人によって考え方は違うとは思うが、私はそれ もメンバーとのコミュニケーションをよくするには重要であると思うし、それが仕事 にいい影響も与えると思う。

・ミドル・アップ・マネジメントの効力について

この本でも紹介されているようにトップアップ・マネジメントやボトムアップ・マネ ジメントの成功例もあるが、なぜ筆者はミドル・アップ・マネジメントにするべきだ とのべているのだろうか。議論の中で、まず会社のシステムがあるのではなく、人材 があって、それからそれに合う経営システムを用いる適材適所の考え方が出された。 特に反対意見もなく、私もそれは正しいと考える。

・知識創造スパイラルは効率がよいのか?

知識創造スパイラルについて、わざわざグループで議論したり曖昧なメタファーやア ナロジーをもちいるのは非効率的であるという意見がでた。ここに関してはいろいろ な意見がだされた。結果として曖昧なコンセプトが出されるのなら会社のトップやチ ームリーダーがはじめからそういう方向性をトップダウンでやればいいのではないか や、はじめから議論せずに方向性を決めてしまっては、議論の中で生まれる違う方向 への可能性がなくなってしまうなどである。私の意見としては、多少の時間がかかっ たとしてもやはり議論の可能性を消してしまうのはよくないと思う。製品開発部門と その他の営業部門では求めているものが異なる可能性はあるし、それと会社の経営方 針とのずれがあることもあるであろう。会社全体としての利益を開発の初期段階から 議論していくことは重要であるとかんがえる。

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