第3巡:紹介:李 担当分

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発表:2003/06/19

イノベーションのジレンマ
(九、十、十一章のまとめ)

30804 李 ハク

第九章 供給される可能性、市場の需要、製品のライフサイクル

性能の供給過剰
 顧客が、ある製品やサービスを、ほかの製品やサービスと比較して選択す るときに順位を決める基準が変わり、製品のライフサイクルがある段階から次 の段階へ移行する兆しが現れる。言い換えれば、供給される性能と求められる 性能の軌跡が交差すると、製品のライフサイクルの段階が根本的に移り変わる きっかけになる。
 性能の供給過剰 ………… 破壊的技術が出現、市場を下から侵食
 性能の供給過剰 ………………… 破壊的技術の脅威や機会を生み出す
 → 製品の競争基盤が根本的に変化
 → 製品のライフサイクル段階が根本的に移り変わる

性能の供給過剰と競争基盤の変化
 5.25インチドライブの容量は主流市場が求める容量を約300%超えたとき 顧客の選択基準が変わった。わずか4年間、3.5インチドライブの市場は1% 未満から 60%になった。なぜなら、ある特性に対して求められる性能レベル が達成されると、顧客は特性がさらに向上しても価格プレミアムを払おうとし なくなり、市場は飽和状態に達したことを示す。性能の供給過剰より製品の競 争基盤が変化し、容量に対する需要が飽和状態になると別の性能指標が重視さ れるようになって新しい製品性能の軌跡と市場の需要が意味を持つようにな った。顧客が複数の製品を比較して選択する際の基準は、まだ市場の需要が満 たされていない特性へと移る。

製品はいつ市況商品になるか
 ディスク・ドライブの差別化が難しくなり、市況商品になるプロセスは市 場の需要と技術の供給との軌跡の相互作用によって形成される。競争基盤が繰 り返し変化し、完全に差別化の要素がなくなる(複数の製品がすべての性能指 標に対する市場の需要を満たす)と製品は市況商品になる。市場に出回ってい る各社の製品には、依然として違いがあるが、特徴と機能が市場の需要を超え てしまうと、その違いは意味を失う。

性能の供給過剰と製品競争の進化
 マーケティング論では、製品のライフサイクルと、ある分野の製品の性質 が時間と共にどのように進化するかについて書かれたものが多い。これらのモ デルの多くにとって、性能の供給過剰は、サイクルの次の段階への移行を促す 重要な要因である。
 サンフランシスコのウィンダミア・アソシェーツの「購買階層」製品進化 モデル。このモデルは、機能→信頼性→利便性→価格の4段階を一般的なサイ クルとしている
【1】「機能」:機能に対する市場の需要を満たす製品がない場合
【2】「信頼性」:機能に対する市場需要を十分に満たす製品が複数現れる時からの選択肢
【3】「利便性」:複数のメーカーが、求める信頼性を満たす時から。
【4】「価格」:複数のメーカーが、市場の需要を満たす製品やサービスを提供する時から。
 購買階層のある段階から別の段階への移行を促す要因は、性能の供給過剰 である。
 ジェフリー・ムーアの『クロッシング・ザ・カズム』
 各段階の境界を、製品ではなく利用者に関連づけている。
【1】製品は、イノベーター、つまり業界の「初期の採用者」によって使われる。 この段階では、最も高性能な製品が大きな価格プレミアムを得る。
【2】主流市場の機能に対する需要が満たされると、市場は大幅に拡大し、メーカ ーは、「初期の多数派」顧客の間に生じる信頼性に対する需要に対応しようと する。
【3】製品とメーカーの信頼性の問題が解決されると、利便性へ移り、「後期の多 数派」顧客を引き込む。
 ムーアのモデルの根本には、ある次元の性能に対する市場の需要が飽和状 態に達するまで、技術は進化できるという概念がある。機能から信頼性、利便 性、価格へと至る、このような競争基盤の進化のパターンは、これまでにとり あげた市場の多くにもみられる。実際、破壊的技術の重要な性質の1つは、競 争基盤の変化の先触れであることだ。

破壊的技術のその他の一貫した性質
 破壊的技術には、製品のライフサイクルと競争力学につねに影響を与える 重要な性質2つ。
 一、破壊的技術は強みでもある。主流市場で破壊的製品に価値がない原因 である特性が、新しい市場では強力なセールス・ポイントになることが多い。
 一般に破壊的イノベーションで成功する企業は最初、その技術の性質や機 能を当然のものととらえ、それらの性質を評価し、受け入れる新しい市場を見 つけるか、開拓しようとする。
 一方、これらの破壊的技術に追い落とされた企業は、確立された市場のニ ーズを当然のものと受け止め、その技術が主流市場でも十分評価されると思え るまで破壊的技術を販売しなかった。
 二、破壊的製品は、確立された製品に比べ、シンプル、低価格、信頼性が 高い、便利といった特長を備えていることが多い。破壊的技術は、購買階層で いう「機能」に対する市場の需要を満たし、さらに主流製品より単純、低価格 で、信頼性が高く便利なことから、成功する場合が多い。

会計ソフト市場における性能の供給過剰
 財務管理ソフトのメーカー「インテユイット」は、クイッケンを使いやす くし、さらに単純・便利にするために、顧客が製品をどのようにつかうのかを 観察して、優れた機能ではなく、必要十分な機能を備えた製品をめざした。
→ インテユイットの破壊的な製品クイックブックスは、競争の基盤を機能か ら利便性へと変え、発売から2年で70%のシェアを獲得した。

インシュリンの製品ライフサイクルにおける性能の供給過剰
 イーライ・リリーは、性能の供給が市場の需要を超えたため差別化した製 品に対して価格プレミアムを設定することはできなかった。
 一方、小規模なインシュリン・メーカーである、ノボは、インシュリンを 手軽に摂取できるインシュリン・ペン製品を開発していた。
→ イーライ・リリーが、ヒューマリンの価格プレミアムを維持しきれなかっ たのに対し、ノボの便利なペンは、インシュリン一単位につき30%の価格プレ ミアムを容易に維持できた。ノボは、世界のインシュリン市場でのシェアを拡 大し、収益性を高めた。
→ イーライ・リリーとノボの経験も、性能が市場の需要を超えた製品は、市 況商品のように価格が決定されるようになり、競争の基盤を変える破壊的製品 は、プレミアムを獲得できることを実証している。

製品競争の進化のマネジメント
 最初は競争の中心は性能で、次に信頼性、利便性、価格へと移る。
 三つの戦略はある。
 戦略【1】:検証した業界で最も広く追求されている方法は持続的技術の軌跡 に沿ってさらに上層の市場への移動し、単純、便利または低コストの破壊的な アプローチが出現したら、低層の顧客をあきらめると言うものだ。
 戦略【2】:いずれかの層の市場で顧客のニーズに合わせてゆっくり進化し、 幾度かの競争基盤の変化の波にうまく乗る方法である。
  デルやゲートウェイ2000などの新規参入企業:購入や使用の利便性を重 視した製品コンパック:市場の低い層のニーズに的をしぼった低価格、中機能 の製品。
 戦略【3】:市場の軌跡の傾斜を急にするマーケティング計画を採用し、技術 が供給する性能の向上を顧客が求めるように仕向ける方法だ。本質的に、顧客 が求める機能の向上の軌跡の傾きを急にし、自社の技術者が供給する向上の傾 きと並行になるようにしている。

正しい戦略、誤った戦略
  ただ一つの正しいの戦略などないことが明らかになった。三つの戦略のい ずれも意識的に追求すれば成功する可能性がある。
 「戦略1」:ヒューレット.パッカードは、レーザージェット・プリンター事業
 「戦略2」:コンパック・コンピュータ
 「戦略3」:インテル、マイクロソフト、ディスク.ドライブ・メーカーの連合軍
  これらの成功した企業は、明確に意識しているにせよ、直感にせよ、顧客 の需要の軌跡と、自社の技術者の供給の軌跡の両方を理解している点で共通し ている。
  しかし、一貫してこのような戦略をとってきた企業の数は、きわめて少な い。
 優良企業のほとんどは、無意識のうちに軌跡グラフの右上へと移動し、競 争基盤の変化に足をとられ、破壊的技術による下からの突き上げにあっている。

第十章 破壊的イノベーションのマネジメント―――――事例研究
 この章でここまで説明した力と原則を生かして破壊的イノベーションに 直面したときにマネージャが成功する方法を示す。

技術が破壊的か、どうかはどうやって知るのか
 電気自動車の例で筆者が自動車メーカーのプログラムマネージャとして この問題を考える。
 技術が破壊的か、どうかを判断するために電気自動車の軌跡グラフを作成 する。グラフを作成するにはまず、現在の主流市場の需要を定義し、それを現 在の電気自動車の能力と比較する必要がある。市場の需要を測るために、顧客 の意見を聞くだけでなく、顧客の行動を注意して観察する。
 観察の結果は、電気自動車が破壊的イノベーションの特徴を持っている。 現在ではほぼどのような機能をとってもガソリン車に及ばないがその技術は 市場の需要よりはやいベースで進化している。

電気自動車の市場はどこに
 電気自動車は破壊的技術と判断したら次の課題は電気自動車の市場を開 拓するマーケティング戦略の決定である。マーケティング鱒略を作成に当たっ ては三つもポイントを適用する。
 第一に、電気自動車は最初に主流の用途に使えないことを認める。
 第二に、電気自動車の初期の市場がどのようなものになるかは市場調査で はわからない。
 第三に、この事業は既知の戦略を実行するためではなく学習の計画でなく てはならない。

潜在市場
 学校や友人の家まで往復するための子供用の車。東南アジアの大気汚染の 激しい都市向けの、タクシーヤ小荷物配達車。

われわれの製品、技術、販売戦略をどうするべきか
破壊的イノベーションの製品開発
 次の三つの基準に従って設計を進める。
 第一に、単純で、信頼性が高く、便利でなければならない。
 第二に、この製品の最終的な市場と用途は誰にもわからないため、特徴、 機能、スタイルを短期間に低コストで変更できる製品プラットフォームを設計 する必要がある。
 第三に、価格は低く設定しておかなければならない。

破壊的イノベーションの技術戦略
 破壊的技術は実証済みの技術からできた部品で校正され、これまでにない 特性を顧客に提供する新しい製品アーキテクチャーの中で組み立てられる。

破壌的イノベーションの販売戦略
 破壊的な製品は主要な販売チャネルを塗る替えてしまうのが常である。

破壊的イノベーションに最も適した組織とは
独立組織のスピンオフ
 主流組織から自律的な道営組織を独立させる。

第十一章 イノベーションのジレンマ―――――まとめ

 最後に筆者は洞察をまとめる。
 第一に、市場が求める、あるいは市場が吸収できる進歩のベースは技術に よって供給される進歩のベースと異なる場合がある。つまり、今のところ顧客 に約にたつと思えない製品、つまり破壊的技術が、明日にはニーズに応えられ るかもしれない。
 第二に、イノベーションのジレンマには資源配分プロセスが反映される。 必要な資金と人材を獲得した革新案には、成功の可能性がある。
 第三に、あらゆるイノベーションの問題には、資源配分の問題と同様、市 場と技術の組み合わせの問題が伴う。
 第四に、大低の組織の能力は、経営者が考えるよりはるかに専門化にされ ており、特定の状況にのみ対応できるものである。
 第五に、破壊的技術に直面したとき、目標を定めて大規模な投資を行うた めに必要な情報は存在しないことが多い。
 第六に、常に先駆者になる、常に追随者になるといった一面的技術戦略を とるのは賢明でない。
 第七に、新規参入や市場の移動に対しては、経済学者が定義し、重視して きたような障壁とまったく別の、強力な障壁がある。

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