生体・生命:資料:免疫

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作成:2004/08/12

免疫

白血球Leukocytes

ヒトの血液1マイクロリットル中に約7000の白血球
6つの異なる型の白血球
多核好中球polymorphonuclear neutorophil 62%
多核好酸球polymorphonuclear eosinophil 2.3%
多核好塩基球polymorphonuclear basophol 0.4%
単球monocyte 5.3%
リンパ球lymphocyte 30.0%
プラスマ細胞、形質細胞plasma cell

骨髄球Myelocytes
骨髄芽球Myeloblast リンパ芽球Lymphocyteから分化

参照図
Genesis of the white blood cells. The different cells of the myelogenous series are 1. myeloblast; 2. promyelocyte; 3. megakaryocyte; 4. neutrophil myelocyte; 5. young neutrophil metamyelocyte; 6. "band" neutrophil metamyelocyte; 7. polymorphonuclear neutrophil; 8. eosinophil myelocyte; 9. eosinophii metamyelocyte; 10. polymorphonuclear eosinophil 11. basophil myelocyte; 12. polymorphonuclear basophil; 13-16. stages of monocyte formation.
(Genesis of Myelocytes,Genesis of Lymphocytes)

好中球と単球・マクロファージによる生体防御

好中球と単球が体外から細菌、ウィルスを攻撃し破壊する。
好中球は成熟した細胞であり、循環血液中でも細菌を攻撃し破壊できる
単球は未熟な細胞で、攻撃能力は小さいが、組織にいったん入るとマクロファージとなり食作用が盛んになる。
血管外遊出diapedis
アメーバー様の運動
走化性 chemotaxis (1)細菌の毒素、(2)炎症を起こした組織の分解物、(3)補体系の化学反応による生成物、(4)血漿の凝固により発生する物質など

参照図
Movement of neutrophils by the process of chemotaxis toward an area of tissue damage.
(Diapedesis,Chemotactic source,Increased permeability,Margination,Chemotactic substance)

好中球と単球の主要な機能:phagocytosis 食作用、貪食作用

網内系reticuloendothelial system

単球が組織に入りマクロファージになったのち組織にとどまり防御反応が始まるまでそこにとどまっている。
単球、移動性のマクロファージ、組織の固定されたマクロファージ、骨髄、リンパ節、脾臓中の特殊な内皮細胞を網内系reticuloendothelial systemと呼ぶ。
組織内に入った粒子は基本的には毛細血管に入ることはなく、局所で組織のマクロファージに破壊されなければリンパに入り、リンパ管を通じてリンパ節に届く。ここでマクロファージに食べられる。

参照図
Functional diagram of a lymph node. (Redrawn from Ham: Histology. Philadelphia, J, B, Lippincott Company, 1971.)
(Afferent lymphatics,Capsule,Subcapsular sinus,Germinal center,Medullary cord,Efferent lymphatics,Hilus,Lymph in medullary sinuses,Valve,Primary nodule)

呼吸器系から入った粒子は肺胞マクロファージにより食される。
消化管から入った細菌は門脈系に入り、そこで肝臓のクッパ細胞により食される。

Kupffer cells
Kupffer cells
Kupffer cells lining the liver sinusoids, showing phagocy tosis of India ink particles. (Redrawn from Copenhaver et al.: Bailey's Textbook of Histology. Baltimore, Williams & Wilkths, 1969.)

血管に入った細菌は、脾臓、骨髄細胞におけるマクロファージに食べられる。毛細血管の透過性が高く赤色脾臓(red pulp)に入り、そこにあるマクロファージによって食べられる。

参照図
Functional structures of the spleen (Modified from Bloom and Fawcett Textbook of Histology Philadelphia, W. B, Saunders Company, 1975.)
(Venous sinuses,Capillaries,Pulp,Vein,Artery)

炎症と好中球、単球の機能
傷害の発生により組織の変化が生じる:炎症
(1)血管拡張による局所的な血流の増大
(2)血管の透過性の亢進と組織間への液体の漏出
(3)顆粒球と単球の組織への移動
(4)組織細胞の浸潤
など
これらの変化により、ヒスタミンなどの物質が産生され免疫系が刺激され、マクロファージが活性化される。
組織内のマクロファージ:第一の防衛線
好中球の炎症組織への侵入:第二の防衛線
単球−マクロファージの組織への進入:第3の防衛線

免疫応答

抗原が体内に入ったときに二つの異なる免疫反応が起こりうる
1)遊離抗体の産生と血液およびその他の体液中への放出 液性免疫humoral immunity
2)感作リンパ球activated lymphocytesをつくる。細胞性免疫cell mediated immunity

獲得免疫は、最初の外来の微生物や毒の体内への侵入が生じなければ獲得できない。生体は最初の進入を認識するメカニズムを持たなければならない。微生物の違いを示す化学構造がある。多くはタンパク、多糖類である。これを抗原antigenという。分子量8000以上
ハプテン:分子量8000以下のものではほとんど抗原性を示さないが、タンパクなどの抗原性をもつ
物質と結合してはじめて免疫反応をおこすものがある。
獲得免疫におけるリンパ球の働き
Tリンパ球:胸腺に依存して作られ、細胞性免疫に関与する
Bリンパ球:液性免疫に関与

抗体の性質:免疫グロブリンがその本体、分子量150,000から900,000

参照図
Structure of the typical IgG antibody, showing it to be composed of two heavy polypeptide chains and two light pofypeptide chains. The antigen binds at two different sites on the variable portions of the chains.
(Antigen-binding sites,Variable portion,Constant portion,Antigen,Light chain,Heavy chain)

補体Complement

細胞表面に対する抗体が補体と集合的に名づけられた細胞外液に存在するある種の成分を固定すると細胞毒性反応がおこる。

膜結合抗体による古典補体活性化過程
膜結合抗体による古典補体活性化過程
(抗体,走化性(多形核球),アナフィラトキシン(ヒスタミン遊離),断片,エステラーゼ C3変換酵素,免疫付着(食作用を受ける),膜攻撃複合体,膜破壊(細胞溶解:電顕で穴))
多形核球走化性とヒスタミン遊離をおこすアナフィラトキシン活性をもつC3aおよびC5a断片の形成を示している。マクロファージ、血小板あるいは赤血球へのC3を介した免疫付着は食作用を助ける。C8および9の固定は細胞溶解をおこす。C4とC2の活性化中に遊離される断片は、それぞれ走化性およびキニン様活性をもつと考えられている。

C5-9膜攻撃複合体
C5-9膜攻撃複合体
(膜,C5b,溶質,溶質,C6,C7,C8,C9)
(a)C5bが膜に結合すると、最終補体成分がその周囲に集合し、膜をつらぬいた管を形成する。これによって溶質が透過できるようになり、細胞は浸透圧によって溶ける。(D. Male and D. L. Brownによる)
(b)リボソーム膜に取り込まれた膜攻撃複合体(MAC)の電子顕微鏡像。環状構造が明らかにみられる。

T-B協同作用
T-B協同作用
(担体に特異的,協同作用,担体,ハプテン,ハプテンに特異的,抗体産生細胞)
抗原上の担体の決定基を認識したT細胞は協同信号を出し、それがハプテンを認識できるB細胞を活性化し、抗体産生プラスマ細胞に成熟させる。協同作用が、担体とハプテン決定基が共有結台しているときのみおこることは、抗原が、Tヘルパー細胞とB細胞とのあいだの架橋物としてはたらいていることを示唆している。

担体(■)−ハプテン(●)への応答でのT-B協同作用
担体(■)−ハプテン(●)への応答でのT-B協同作用
(休止抗原特異B細胞,(1)活性化(数分裂?),活性化B細胞,(2)分裂増殖(多分裂),活性化B細胞,(3)成熟,抗体産生細胞,抗体,抗原,ヘルパーT細胞,抗原特異因子,B細胞成長因子,B細胞成熟因子,抗原提示マクロファージ)
第1段階(活性化):抗原提示マクロファージとの作用によってつくられた不溶性因子、インターロイキン1(IL-1)によって活性化されたヘルパーT細胞は、抗原による架橋によって休止中の抗原特異B細胞を刺激して抗原特異可溶性因子の助けで数サイクルの分裂を行わせる。その結果、B細胞成長因子に対する表面レセプターをもった娘芽細胞ができる。
第2段階(分裂増殖):これらの細胞は、活性化されたTヘルパー細胞によって生産されるB細胞成長因子の影響のもとにさかんに分裂する。
第3段階(成熟):最後に、これらの細胞は、ヘルパーT細胞によって生産される別の可溶性メディエーターであるB細胞成熟因子によって、分裂から抗体産生へとスイッチを切り換えられる。
第1段階は抗原特異的で、主組織適合性Ia分子によって制御される。
第2、第3段階は、抗原特異的ではなく、Iaの制御も受けない。

一次応答と2次応答の違い

memory cellの存在 抗体産生細胞になる前のBリンパ球が増える。

参照図
The time course of the antibody response to a primary injection of antigen and to a secondary injection several weeks later.
(Weeks,Concentration of antibody,Primary,Secondary)

細胞性免疫応答

刺激されたT細胞の増殖と分化によって細胞性免疫応答は増幅される。
細胞毒性細胞(cytotoxic cell)の産生と生物活性をもつ可溶性因子リンホカインの放出として現れる。
リンホカインは単球・マクロファージの活動を高める。

細胞性免疫応答の開始
細胞性免疫応答の開始
(芽細胞,レセプター,増殖)
抗原提示マクロファージ(APC)上の抗原(●―■)とlaとの複合体がT細胞のレセプターによって認識されると、マクロファージと休止T細胞の相互反応が誘導される。活性化されて芽細胞化し、表面にインターロイキン2に対するレセプターをあらわすと、別の活性化T細胞亜集団によってつくられたインターロイキン2が遊離してきてはたらき、細胞はさかんに増殖しはじめる。

細胞性免疫応答
細胞性免疫応答
(ウィルス感染細胞,抗原,マクロファージ,リンホカインの放出,協同作用,成熟,キラーT細胞,細胞毒性,ウィルス感染標的細胞,ウィルス複製の阻止)
・単核性食細胞走化因子・遊走阻止因子(MIF)−−−マクロファージの局所集中
・マクロファージ活性化因子(MAF)−−−細胞内微生物の殺菌
・γインターフェロン−−−ウィルス増殖の抑制
・インターロイキン2−−−T細胞増殖
・リンパ球抑制因子(LIF)−−−Tサプレッサー機能
・リンホトキシン−?−腫瘍の阻害
・皮膚反応因子−?−循環血中からの細胞の集中を助ける
これは二つの異なる細胞亜集団、すなわち、細胞毒性前駆細胞(Tcp)と、それ自体さらにいくつかの機能サブセットに分かれるヘルパー/インデューサー/遅延型過敏症−細胞を刺激することによっておこる細胞毒性T細胞の産生とリンホカインの放出によって行われる。異なるリンホカインは異なるリンパ球サブセットによってつくられる。抗原刺激によって誘導されるさかんな増殖は示されていないが、応答の増幅にはこれが必要である。

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