〜何も知らない人へ〜
私、梅城崇師は、2006年9月18日の吉野家牛丼復活の際に、報道陣の集まる有楽町店にて一番乗りで牛丼を食べるために徹夜で並び、テレビ・新聞各社にて名前入りで報道されました。ここに、その記録の全てを記しておきます。
報道内容一覧はこちら
※本文中の図・写真はクリックすると拡大できます。
地元の旧犬飼町には吉野家は当然無い(というか今でもないし、コンビニもなかった)。
大分市街地でもあまり見かけなかったので、高校時代までは殆ど利用してない。
しかし東京に来てからは、何所でもあって、24時間営業で、早くて安い
ということで、一般学生によく見られるように吉野家ヘビーユーザ化。
当時よく利用してた店は、通学時の飯田橋駅近くの吉野家と、
駒場からも近い渋谷の吉野家×3箇所。
当時(というか今でも)吉野家は(2ch)ネラーにとって聖なる場所!
「大盛ねぎだくギョク」というのが定番!!
なぜ定番かを話すと長いのですが、発端は2chでのこの書き込みでしょうね。
ただ、ねぎだくにすると肉が少なくなるので、私は敢えてしません。
やっぱり肉ウマーですから。
代わりにサラダを毎回食べて、変なところで健康に気を使うようにしてたけど…
そんな平凡な牛丼生活もある日突然終焉を迎える。
2003年12月24日にアメリカでBSEが見つかって前代未聞の牛肉輸入禁止。

BSE罹患牛の延髄と、プリオン蛋白質
写真引用→動物衛生研究所:http://ss.niah.affrc.go.jp/disease/bse/bse-s.html
2004年2月11日に吉野家牛丼が遂に無くなってしまった。
ただ輸入禁止への驚きよりも、牛肉在庫を2か月分以上も持っていた吉野家に驚嘆。
当然最後の日は、学園祭委員会の皆さんで徒党を組んで牛丼を食べに行った思い出が。
10人程度で押し掛けたものだから、店にとってはいい迷惑だっただろうな。
なお一緒に行った中にヒロユキという名前の子がいたのはネタ以外の何物でもない。
ちなみに、その日の夕食にも独りでもう一回牛丼食べたのは秘密。
もはや吉野家は生活リズムの一部だったので、牛丼がなくなっても、通い続けました。
牛丼が無いのに何を販売するのかと思いきや、
焼鶏丼、マーボー丼、きのこ角煮丼など、今思えば懐かしいメニュー。
そして豚丼や豚キムチ丼も少し遅れて登場してきて、すっかり今では主役の座。
最初は豚丼の味に違和感もあったものの、もはや慣れてしまった。
ほとんど毎日食べ続けてたらさすがにね。
豚丼を食べて応募すると当たる、「吉ブークッション」もらったくらいだし。
このクッションのために1ヶ月の食事の3分の2が吉野家だったのはもはやいい思い出。

吉ブークッションは左のような箱に入って到着。届いたときは何が着たかのか驚いた。
本体はそこそこ大きなぬいぐるみ、大きさ比較のために携帯電話置きました。
最近の定番コースは、「(豚丼)並(盛)、半熟(卵)、ポテト(サラダ)」
牛丼に比べて豚丼は肉の味が薄いので、半熟と大量の紅生姜をつけて味を補強しています。
ちなみに、牛焼肉や豚味噌炒めなどの最近できた定食系は一度も食べてないはず。
おいしそうなんだけど、吉野家に入ると何故か「並(なみ)」って言葉がでてしまうの…
1年目の節目になる2005年2月11日に、牛丼は1日限り限定復活があって、
このときは徹夜したわけでもなく、近所の店に開始時間ちょうどくらいに行き、
列の何番目かに並んで、普通に食べてきたはず。
2年目を控えた2005年12月12日に輸入再開が決定。
これで2006年2月11日には牛丼が食べられる!と思っていた矢先、
皆さんご存知のように、2006年01月20日に背骨(脊柱)付きの牛肉発見!。
そんなわけで再度輸入禁止。
骨付きカルビでも食べたかったのか知りませんが、米国は頭が悪いとしか思えない。
再開されて1ヶ月しか経ってないのに問題発生ってことで、日米の温度差を歴然と感じた気がする。
米国の強い圧力もあってか、2006年7月27日に再び輸入再開が決定。
牛丼再開がいつになるのかなぁと思っていたら、9月6日になって
都内のホテルで牛丼を実際に報道陣にふるまっての記者会見が行われ、
9月18日午前11時から「牛丼復活祭」なるものが開催されると発表。
ここで安部社長が感激のあまりに涙で言葉を詰まらせたのは有名な話。
この時点では絶対に食べに行こうとは決めてて、いつから並ぼうか思案開始。

復活会見での安部社長と、復活祭のポスター
写真引用→http://www.asahi.com/life/update/0906/007.html(左)、吉野家ホームページ(右)
牛丼の日は、土曜・日曜・敬老の日で三連休最終日。
ただ、土日は研究室でずっと雑用してて、日曜夜9時くらいにようやく雑用一段落。
せっかくの連休なのにどこにも行かないのは勿体無い。
ここでふと思ったわけです…
「折角牛丼を食べに並ぶつもりなのだから、どうせなら一番になりたい」って
そこでどの店に何時に行けばベストな選択肢なのかということをgoogle検索することに。
まずはどの店に行けばよいかを検索です。
最初に思いついた店は築地にある1号店。
しかぁし!今回の復活祭は築地ではやっていない様子。
ポスターには、「吉野家全店で販売(築地店、競馬場など12店舗を除く)」とあるわけです。
そこで思いついたのが、以前の2月11日の牛丼一日販売の時に、報道陣が詰め掛けた店!
調べたところ、その店はどうやら最大の来店者数を誇る有楽町店らしい。
店が決まったところで、次に何時に行けばよいかを検索です。
一番になるためには、前回一番になった人が何時頃来たかが重要です。
googleさんで検索したところ、1時間前には長蛇の列ができていたらしい。
そして、もっと調べたところ、2時間前にもそこそこの人数が並んでたらしい。
更に進めて次のような記述発見。先頭の人は夜11時から…。
情報源がブログ1件だけという怪しい結果。
でも12時間前というきりのいい時間だし、情報を信じて夜11時に並ぶことに決定。
実は「決定」って言ってはいるが、
さすがに自分でも夜11時=終電近くってのは早すぎると思って、内心相当迷ってた。
研究室にいた他の人に始発か終電かどっちで並ぼうかって相談したけど、
どっちでもいいんじゃ…みたいなことを言われてしまった。
迷った挙句、雑用が一段落した解放感の発散も兼ねて11時行列開始しようとしたってところかな。
行こうと決めた時点(夜9時)ではまだ研究室にいて、雑用が終わったところだったので、
とりあえず24時間ぶりに一度帰宅して風呂に入ることに。
何せ徹夜で並ぶと、翌日昼過ぎまで時間かかるからね。
風呂後は、泊り込みのための準備です。
まず、恐らく夜は冷えるだろうから、上着を一枚装着。
後から気付くのですが、この何気なく着た上着が、実は吉野家カラーの橙色だったのです!!!

吉野家カラーとして一躍有名になった上着だが、本人は全く意図してない
更に寒さ対策としてウィンドブレーカー、
雨で座り込む地面が濡れてると悪いのでビニールシート、
暇な時間をつぶすためにニンテンドーDS-Lite + Final Fantasy 3、
ゲームだけでは頭が悪いので各種参考書6冊、
などをカバンに詰め込み、傘を持っていざ出陣。
夜10時半、自宅最寄の後楽園駅から、丸ノ内線→山手線で有楽町へ向かいます。
乗り換えの東京駅で、食料(トッポ×2箱)と飲料(CRYSTAL GEYSER×2)を購入し、
一晩を乗り切るための準備は更に完璧に。
有楽町の吉野家に行くのは今回が初めて。
ビックカメラの反対側だと地図にあるので、改札出て探してみることに。

吉野家有楽町店。駅のガード下で通行する人が多い上に、
周囲に同業他社が少ないため最大の売り上げを誇っていると思われる。
地図引用→吉野家ホームページ
少し歩くと、吉野家発見!時間はちょうど夜11時
発見したのはいいけれど、何故か既に30人くらいが店の付近でつったってる。
その人達をよく見ると、テレビカメラとか機材もってて、これはどう見てもマスコミだ。
最初は行列一番乗りの人を取材しに来たのかと思ってたけど、
それにしては人数が多いので、何を待ってるかすごく気になった。
とりあえず、マスコミを遠巻きに見ながら1,2分観察したものの、
わかったことは、行列に並んでる人はいなさそうということ。
ちなみに、マスコミが待っていたものは、後で判明することになります。
行列に誰も並んでいないということで、早く来過ぎた感があったのと、
昼から何も食べてなかったのでお腹がすいてたので、
そのままマスコミを無視して通過して、華麗に吉野家入店。
空腹には勝てないので、豚丼を食べてから並ぶことにしたわけです。
いつも通り「並、半熟、ポテト」を注文して、夕食開始。
店内にも撮影クルーが1組いて、店内の様子とか撮影してたのだけれど、
私が食べ始めたらカメラが私の方を向いてる気がする。
狙いは豚丼を食べてる客なのか!

豚丼並盛:写真引用→吉野家
確かに周囲を見渡しても定食ばっかで、豚丼いないし…
3mくらい離れた脚立上からの熱い視線(?)を感じながら、
それにも動じずに黙々と豚丼を食べ続けてると、カメラマンが脚立から降りた。
撮影が終わったのかと思ったら、カメラマンが近づいてきて、
「食べてる手元を撮影させてもらってよいですか?」
「いいですよ」と即答。撮影が開始されました。
そして撮影しながら、カメラマンが更に一言。
「顔が映っちゃまずいですよね?」
「大丈夫です」と即答。
「助かります」という一言とともに撮影は続行されました。
豚丼をほぼ食べ終わるくらいまで(といっても2,3分だが)撮影され、
「ありがとうございました」といって去っていきました。
豚丼食べてる姿と、次の日に同じ人が同じ服装で牛丼食べてる姿を、
並べて放送してくれないかなぁ、とか思いながら食べてたわけですが、
残念ながら、この豚丼シーンが放送されてるところは一度もお目にかかってません。
23時15分、豚丼を食べ終わり店外に出たところで、行列開始。
と思ったら、店の前で座り込んでる若い男の人を発見!
もしやと思って「並んでるんですか?」って聞いたら、
単に酔ってて人を待ってるだけらしい。少し安心。
その人の横で突っ立とうとしたら「もしかしてこれから牛丼に並ぶの?」って聞かれたから
「そのつもりです」って言われたら「それはすごい」ってことで場所を譲ってくれ、
その後、その人は相変わらず30人くらいが突っ立てる報道陣の奥へ消えていきました。
どうやらこれで一番乗りゲットのようです。
まだ終電も過ぎて無くて人の往来もあるし、報道陣もたくさんいるから、
ビニールシートを敷いて座り込むのも格好悪かったので、店の横で立って待つことに。
とりあえず携帯から簡単に日記更新(23時19分)。面白いレスが付くまで放置。
ちなみに、書き込んだ内容は
「さぁ今から吉野家有楽町に並んできます。すごい報道陣だぁ、どうも一番乗りらしい」
という簡単なもの。携帯だから長文書くの面倒なんだし、あんまり電池使いたくなかったし。
日記を書いたところで、明日の昼まで長いし電池が勿体無いので、読書開始。

最初に読んだ本「2010年のITロードマップ」。
就職活動時でNRI内々定時に貰ったが、読む時間無かったのでちょうどいい機会ということで
読書してても、マスコミは視界に入ってしまう。
そしてその行動は明らかに動きが慌しくなって、リポーターらしき人が向かってきた!
リポーターが私の前に来たところで、いきなり質問がとんできて、「今、何してるんですか?」
思わず私は「読書してます」って返答。間違えてないよね?
予想外の出来事にたじろがないのが、レポーターというもの。
「何を待ってるんですか?」と攻めてきた。
ここでようやく「明日の牛丼を待ってます」としどろもどろに返答。
「まだ夜の11時だけど今から並んでるの?」→「はい」
とか簡単に質問された後で、「取材していいか?」みたいなこと聞かれたので快諾しました。
この最初に取材してきたクルー、カメラやライトさんなどがいて、民放な雰囲気だったけど、
しっかり観察したわけではないので、TBSな気がするけど、どの局かは不明。
一社が取材を始めると、他のクルーも次々と近づいてきて、
結局、その場にいたすべてのクルーの取材を受けた気がする。
この晩に来てたのは殆どが民放キー局報道部門だと思われ、5人程度で1クルー。
他に、ハンディカメラを持ちながら自分でインタビューもする単独クルーなどもいたし、
同じ所が追加取材を行ったりもしたので、延べ10回程度インタビューされたんじゃないかな。
この時間から取材されるとは思ってなかったし、何もコメント考えてなかったので、
アドリブばかりで大変。何故並ぶの?とか言われても、牛丼があるから並ぶわけで…
取材で聞かれる内容は、大体どこも似たようなもの。
「何をしてるの?」→「読書」「ゲーム」「牛丼待ってる」
「何時から待ってるの?」→「(夜)11時から」
「これから何をして待つの?」→「読書やゲームや携帯電話」
「職業は?」→「大学院生」
「一人?」→「友人誘ったけど断られました」
「(水やおやつが入った袋を指して)これは何ですか?」→「夜食です」
「かばんの中は何がはいってるの?」→「参考書など」
「夜は冷えるけど大丈夫?」→「上着も持ってます」
「(上着とかを)見せてもらってもいい?」→「かばんを開けて見せる」
「なんでこんな時間から並ぶの?」→「一番に食べたいし12時間前でキリがいい」
「吉野家の魅力は?」→「早くて、安くて、おいしい」
どのテレビ局も当然翌日もインタビューに来るらしく、
みなさん「明日もよろしくお願いします」的なことを言って去ります。
このときは翌日の報道陣の多さをなめてたので、軽く受け流してたけど、今思えば
「沢山報道陣来るけどウチにもコメント取らせてね」的な意味もあったんでしょう…
ちなみにフジテレビの取材後(日付が変わって0時20分頃)に
「明日のとくダネの生放送でインタビューしてもいいかな?」ときました!
生放送!全然予想してませんでしたが「いいですよ」と返答。
細かい放送時間や、質問される内容は全く不明のまま、
こんな簡単なやりとりで出演決定…そんなもんですかね?
インタビュー中はカメラは私だけをアップで撮ってるわけです。
そんなことに慣れてないので、緊張こそそこまでしないものの、
自分がどのように撮影されてるかわからないし、
なにより、目線をどこに向けていいのかわからない。
カメラを向いてカメラ目線ってのも、テレビで見たときに嫌な感じがするので、
ずっと横のリポーターの方を向いてました。
というわけで、放送された私の目線の先には、レポーターの顔があります。

典型的な撮影例、私はレポーターの方を向いてます
写真引用→TBS(NEWS BIRD)
大抵は取材の前後で差し支えなければってことで、名前を聞かれる。
だけど私の名前「梅城崇師(うめきたかのり)」って教えにくいし間違えやすいんですよね。
面倒なんでたまたまカバンの中に入ってて大量に余ってた名刺を活用することに。
名刺は、就職内々定の懇親会などで有ったほうがいいなぁと思って印刷したものの、
作成したときには一通り懇親会が終わった後だったので、結局使わなかったという代物です。
懇親会用なので、肩書きは大学名や研究室、連絡先は個人連絡先という中途半端な内容。
ただ、その名刺が、こんな場で役に立つとは思ってもなかった。
名刺渡すと、相手も必ず名刺くれるので、誰からインタビューされたかもわかるし。
この名刺の肩書きに大学名とかも入ってたし、
別に隠すつもりもないので、大学名もインタビューで答えてたわけ。
そしたらやっぱ、東大ってネームバリューすごいんだね。
「どこの大学なんですか?」→「東京大学です」
とかいう受け答えを追加インタビューされたりしましたよ。
そしてこの「東大」っていうクォリティが後々のすごい反響になっていくわけです。
大体どこのテレビ局も同じですが、テレビカメラのクルーは5人程度います。
カメラマンは当然業務用カメラ担いでるわけですが、
その周囲にはカメラコードをさばいたり、脚立を準備したりする補助がいます。
補助=師弟関係というか、もはや小間使いですね。
夜の場合は暗いので、ライトも必要。
ライトといっても、電球をそのまま当てると一部分だけが明るくなりすぎるので、
薄紙で覆って、面光源にして、全体を柔らかく照らします。
これがまぶしすぎず、暗すぎず丁度いい。
有楽町店はガード下でそんなに明るくないけど、
翌日昼間の取材ではライト不使用でしたね。
カメラの性能って良くなったんだなぁと実感。
音声を拾うマイクも何種類かありました。
レポーターが手に持ってるハンドマイクだったり、
音声さんが持ってるガンマイクだったり、
カメラに外付けされてるやつだったり。
さすがに街頭インタビューなので、ピンマイクつけることは一度もなかったな。
ガード下ってこともあって電車とか周囲の騒音が結構あったにも関わらず、
放送された音声はクリアでノイズがあまり聞こえない。
ほんと業務用指向性マイクってすごい。

指向性マイクっていうのは、特定の方向の音を集中的に拾うマイク。
ちなみにマイクについてるスポンジやら毛むくじゃらは、「風」によるノイズ防止用。
写真左から順に、
ハンドマイク:レポータがよく持ってるマイク、そこら辺のよりよっぽど高性能
カメラ外付け:ガンマイクの小型版、カメラの向きの音声を拾う
ガンマイク:屋外など雑音の多い場所などで特定方向の音声を集中的に拾う
ピンマイク:小型マイクを胸元につけたりして、スタジオなんかでよく使われるやつ
写真引用→IPA(教育用画像素材集)
取材クルーの中には、当然レポーターもいます。
名前はわからないけど、テレビで見かけた記憶があるような人もいたし、
私に取材したときと同じ服装のままニュースに出てる人もいたので、
結構有名な人たちだったんじゃないかと、今更ながらに実感。
でもそんなオーラ出てるわけでもなく、普通の社会人だったけどね。
女の子とか、テレビに出るだけあって、それなりに可愛かったけど(笑
あと、後ろに特に固定業務の無さそうなディレクターっぽい人もいたりしました。
そんな人たちから、1回の取材で5分程度の取材を受けます。
後述の牛肉搬入なんかをはさんで、断続的に1時間ほど続いたかな。
私へ取材に来るマスコミの順番は早いもの順っぽい。
しかも、終わりとか、始まりとか、そういう目安(合図)は私の見た限りない。
つまり前のクルーが撮影終了したのを見計らっての取材開始。
だから、順番を間違えてインタビューしようとすると、
「あっちが先だよ」とかいう声(怒声とまではいかない)が聞こえてきたりする。
いつまで撮影されてるか、撮られてる本人も分からない時がある。
インタビューが終わったら、私は読書に戻るわけだが、
そういう「待っている」風景もカメラに収めたいらしく、
離れた場所からこっそり(でもないが、気付かない)撮影してたりする。
そんなときに、何も知らない他のクルーが取材しようと近づいてきたりすると、
撮影中のカメラマンやそのクルーから止められたりとかするわけ。
この世界、単純に撮影するだけじゃなく、相当な不文律がありそう…
さて取材攻勢の切れめに、ある人物が近づいてきました。
吉野家の入口付近に立って、報道陣やこちらを見てた人の一人です。
吉野家本社の人だと思ってたんですが、ちょっと違った。
名刺をもらうと、なんと「電通」の人だ!
そっか、今回の牛丼復活祭は電通がプロデュースしてるのね。
電通は、いわゆる「広告代理店」で、世界でも最大規模で売上高1兆4000億円。
就活してる人にとっては、給料高い、超激務、コネ入社多い、として有名。
一般的に広告代理店は、広告で宣伝したい企業と、広告枠を持つメディアを仲介する仕事。
たとえばCMやポスターなどを作って放送や掲示したり、
こういうような大規模なキャンペーンやマーケティングを立案したりするわけ。
その人の会話を要約すると次のようなもの。
「報道陣多くて驚いたでしょ、お疲れ様」
「インタビューもさっき良かったから、これからもそんな感じで」
「明日は100人以上報道陣くるから、がんばってね」
「何かあったらサポートするからね」
100人、言葉で聞くと簡単なんで、まだこの重みをこのときは理解してなかった…
断続的に取材を受けてる間の24時前後、報道陣の動きがにわかに活発に。
何だろうなぁと思ってると、一台のトラックが到着。
吉野家への物資搬入ですね。
ということは、牛肉が到着したらしい!
だから報道陣もざわめきたっているのか。
トラックは到着したものの、なかなか搬入が始まる様子がない。
というより、何もしないままトラックは、夜の闇の中へ去っていった。
一体何だったんだろうと思ってたら、少しして再び同じトラックが到着。
すると照明がたかれ、全カメラがトラックを撮影。
後進で入庫しようとしてるトラックが動きにくそうなくらい報道陣多すぎ。

自分のカメラで撮影。フラッシュたかなかったので、手振れして申し訳ない。
右側の写真ではテレビカメラが5台写ってるのがわかるかな。
たかがトラック到着でここまで異様な取材風景になるわけです。
この撮影風景を見て、先ほどのトラック一時撤退の謎は解けました。
はじめは、牛肉を乗せたトラックがいきなりやってきたものだから、
準備が間に合わず「やって来る」様子をうまく撮ることができずに、
わざわざもう一度到着シーンからやり直してもらったに違いない。
さすがマスコミ集団、理想シーンのためなら何でもしそう…
トラック到着後もすぐに荷下ろしが始まる様子はない。
何してるんだろうと思ってたら、吉野家関係者の偉そうな人が動き出して
運送業者と幹事社とともにミーティング開始。
幹事社っていうのは、こういう取材の際のマスコミ側の現場代表者みたいなもの
話の内容は、荷物ケースをトラックからケース置き場までどうやって運ぶかというもの。
通路が狭いから一度にたくさんのカメラは入れないからな。
結局、ケースは全部で10箱以上いて業者は2人いるので、1回に2箱ずつ運んで、
何度も往復して、その度にテレビカメラが1社ずつ付いてまわって、
各社順番に全社が撮影することになった模様。
ケースは保護シートかけてて中身が見えないから、外して運べないか?とか、
それは衛生の規則が厳しくなっててちょっとできない、とか
代わりに店内に運んだ後で見せるとか、なかなか熱い議論が行われてた気がする。

ミーティングの様子。左の制服姿の2人が業者。
中央の人がたぶん吉野屋関係者。一番偉そうで、全体を取り仕切っていた。
そうして、ようやく搬入開始。トラック到着して20分くらい経ってるんじゃないかな。
トラックの荷台から電動リフトで地面まで下ろして、台車を転がして2〜30メートル運ぶ。
たったそれだけのこと。だけど中身は噂の米国産牛肉。
カメラマンもローアングルで撮ってみたり、がんばってました。

トラックの荷台から下ろす様子を全カメラが撮影。
運送業者さんも、荷物を運んだ前後は苦笑?してたけど、運んでるときは真剣でしたね。

銀色の保護シートの中に牛肉などが入ったケースがある。
手持ちのデジカメで動画も撮影したので、その方が雰囲気もよくわかるかな。
動画で聞こえる音楽は吉野家の店頭で流れているBGMです。ちょっとうるさい。
そんな牛肉搬入とそれを撮影する報道陣の姿を、
私も野次馬の一人としてデジカメで撮影してたところ、
独りで待ってる東大生が、もの珍しそうに牛肉搬入を撮影してる図というのが珍しいのか、
デジカメで撮ってる姿を撮影している報道陣もちらほら。
撮影してる風景を撮影してる人を撮影するという、よくわからない構図。

動画で見るとわかりやすいが、画面右側にいるカメラマンが、
何故か途中から撮影している私を撮影しだしました。
他にも私を撮影してるカメラを何台か見かけた。
牛肉搬入を撮り終わったからといって、そんなに私が珍しいか?
このとき牛肉は通常と同じく1000食分だと思ってたんですが、
有楽町はさすが最大規模だけあって、2000食分用意されてたようです。さすが。
この牛肉搬入に更に20分くらいかかったわけですが、
その後報道陣は店内へ。
私がいる位置からは何をやっているか直接は確認できなかったけど、
牛肉が入ったケースを店内に運び込む様子や、
ケースを開けたものが撮影されたようです。

店内で肉を広げてる様子。
この肉が入っている橙色のトレーが多数重なったものが上の銀色のシートの中身。
写真引用→TBS:イブニングファイブ
1時前に牛肉搬入が終わって、取材を更に1,2件受けてる間に、
報道陣や関係者は次々と引き揚げ開始。
1時過ぎには、ガード下にあれだけいたマスコミは全員撤退。
時間的に終電も終わってしまっているので、結局独りで待つことになった模様。
終電くらいで二人目が来るかなと期待してたのに、見事に裏切られました。
マスコミが帰ってからしばらくは、寂しいというより、ようやく落ち着いた感じ。
携帯電話で日記更新とかしてました。
日記を更新しながら、ふと遠くに目線をやると、
50mくらい離れた暗闇の中にテレビカメラクルーを1組発見。
カメラはどうも自分の方を向いてる、ってことは、
独り寂しく吉野家の前で待つ様子を激写されてるに違いない。
実際テレビでその映像も見たけど、寂しさ以外の何者もないね。

寂しく私が待っている様子。左側が夜、右側が朝方。
朝は寒いので上着を着て、更に差し入れでもらった缶コーヒーが置いてある。
写真引用→左)TBS:イブニングファイブ、右)NTV:きょうの出来事
しかもこの晩は最低気温が20度まで冷え込んだので、早々に上着着用。
店がガード下にあるおかげで、風雨がしのげるから、待ちやすかった。
一晩の間何をしてたかといえば、
まず携帯電話でメールを送ったり、メッセンジャーして、
「牛丼に並んでて暇」って送信に「暇人だねぇ」って返信されて凹んだりした。
そのうち、一般人は寝る時間になって、電池も勿体無いから携帯は終了。
それからは書籍を2冊読んでたら、意外に時間は早く経って5時。

夜に読んだ本、両者とも読む時間がとれなかったけど読みたかったもの。
「CPUのきもち」…パソコンCPUのアーキテクチャについて読みやすくまとめた本
「自然が生み出した原子炉」…自然界にかつて存在した天然原子炉について
5時といえば始発の時間。
誰か来るかなぁとワクワクしながらも、来なかったら…という焦燥感も。
読書ばっかで眠くなってたので、ここでニンテンドーDS-Liteの登場。
FF3を開始。ラスボス一歩手前のダンジョンから再開して、無事にラスボス到着。
しかぁしボスの強さをなめてかかってパーティ全滅。強すぎ…
最後のセーブポイントはやり始めたところなので、
結局約1時間を無駄にしたわけで、かなり萎えたのでゲームも終了。
そして時計を見て気付いたことは、始発で来ても一番だった。
結果論だけど、なんだか無駄に一晩過ごしたなぁと今更ながら思ったね。
もうすっかり明るくなった朝6時半、
私の次の二番目よりも、一番早いマスコミの方が先に到着。
恐らく生中継をするフジテレビの「とくダネ」スタッフでしょう、朝からお疲れさまです。
しかもディレクターっぽい人から、缶コーヒーの差し入れまでいただきました。
ついでに、夜何してたの?とか、二番目来ないね、とか雑談して和やかな雰囲気。
こちらとしては暇なので良い雑談相手、向こうとしては予備インタビューという図式かな。
7時過ぎから、報道陣もちらほら集まり始めます。
朝最初に取材を受けたのは日テレ、質問事項は昨晩とあまり変わりません。
そしてその横ではとくダネスタッフが中継の準備。
それでも7時台は意外なほどまったりと時間が流れていったものの、
8時半過ぎから急に騒がしくなってきて、吉野家関係者(電通)らしき人も登場。

朝9時頃の報道陣、このくらいで済めばよかったのだが…
同じ頃、吉野家関係者の手によって、牛丼特製のぼりが飾りだされた。
特に朝8時40分頃に生中継されたとくダネの取材が色んな意味ですごかった。
生放送前のリハーサルは、スタッフ側は当然のように何度も繰り返してるようだが、
質問される私の方は放置プレイでちょっと不安。
ようやく本番の少し前に、1回だけ質問内容を簡単にやりとり。
不安は尽きなかったけど、「もうすぐ本番です」とか言われて、
むしろ緊張の方が大きくなって、気にする余裕なし。
そして遂に初めての生中継取材開始。
一瞬の出来事だったし、緊張してたし、他にも沢山取材うけてたので、
正直言って何を話したかよく覚えてないし、あまり生放送という実感もなかった。
ただ放送されたものを見るに、次のようなやりとりをしてたようです。
「昨日は何時から並んでた?」→「夜11時くらい」
「どこから来た?」→「文京区」
「学生さん」→「はい、院生です」
「早くから並ぶ理由は?」→「やっぱり、一番に食べたいから」
「この有楽町店に並んだ理由は?」→「来店者が一番多い店で一番に食べたいという思い」
「2年半の間は他の牛丼屋で食べた?」→「食べたけれど、吉野家の方がおいしいと思う」
「ズバリ今日は何盛り?」→「普通に並盛を」
「今日は100円高いが?」→「仕方ないと思う」
「文京区の大学院生というとどこの大学?」→「東京大学」

とくダネの放送の様子。
私はスタジオの声は聞こえないので、レポータに中継してもらう形。
朝方のニュースにちょこっと出ただけなのに、
全国放送の威力はすごく、直後から「見た!」というコメント多数。
自宅からの電話を含め、電話3人+メール3人+ネット1人の7人から!
1年以上連絡とって無い人もいたので、本当にテレビのすごさを思い知りました。
そしてこれはまだ序の口に過ぎなかったわけです…
そんな生中継でどたばたしてる間に、行列2人目登場。
ようやく「行列」っぽくなってきた、いや、まだ足りないか?
それにしても二人目来たのが、9時間以上後とは、
無駄に夜を徹っしてしまったとしか思えない。
それでも二人目が来たおかげで、独りじゃなくなってかなり気楽になれました。
話し相手ができたってことも、かなり大きなプラスポイント。
普段は人見知りなんですが、この時ばかりは一方的に話かけました。
「二番目とは思わなかったでしょ」→「数人は並んでるかなぁと思ってた」
「マスコミ多いよね」→「ほんとすごいね」
「どこから来たの?」→「○○区から」
こんな無駄話を双方が取材されて無い間はずっとしてました、
おかげですぐに友達みたいになれて、牛丼後までずっと一緒でした
とくダネの前は朝が早かったこともあって、2,3社しか取材に来なかったのに、
中継が終わって9時を過ぎた頃から、報道陣が急激に増加。
9時過ぎの時点ではテレビカメラクルーがメインで、せいぜい30人程度。
これならよくある取材の規模、といっても取材されたことはなかったので、少し戸惑うけど…

9時過ぎの報道陣。テレビカメラがメインの、30人程度で、ちなみに昨晩もこのくらいの人数。
右の写真で水色の服を着てハンディカム撮影してるのは、「報道ステーション」だと思われる。
それが10時前後には、約100名の報道集団に成長。
テレビカメラに加えて、新聞や雑誌の記者やスチルカメラが入ってきたのが主原因。
テレビも民放キー局だけでなく、NHKや韓国KBS放送なども来て、倍程度に増加して、
同じ民放でも部門や制作会社が違うためか、報道部門とは別の班が来てるところも。
生中継もされたので、当然のように中継車も3台が駐車。
もはや大量の人と熱気と騒々しさで、さながら一大祭典の様相です。

10時前後の報道陣。記者やカメラマンも加わり、総勢100人以上。もはやお祭り状態。
中継車も3台来てました(牛丼後に撮影)。
報道陣が増えるに従い、当然、取材も半端ないほど増加。
9時頃から11時前までの間に、延べ2〜30件は取材が来たと思うが、
もはや多すぎて何件来たか正確にはよく覚えてない。
名刺をもらったものや、記憶してるものだけでも次のとおり。
テレビ:NHK、日テレ、TBS、フジ、テレ朝、韓国KBS、Gyao…
新聞類:共同通信、読売、日経、産経、東スポ、日刊スポーツ、ポスト…
朝日や東京MXとかの取材も受けた気がするけど、もはや名刺がないのでよくわかりません。
どこの質問内容も、何時から並んだか?とか、とくダネのときと殆ど同じでFAQ状態。
ただ、全社同じのコメントじゃつまらないので、微妙に変化させながら答えました。
「今どんな気持ちですか?」→「どきどきしています」、「わくわくしています」とか
特に新聞社から頻繁に質問された米国産牛肉に関する質問には、
工学部授業「安全学」の知識を応用して、リスク評価の観点から回答。
「米国産牛肉は不安では?」→「不安が無いわけではないが、過敏に反応せず冷静に判断すべき」、
「吉野家自身が視察までして、管理してるはずなので気にするほどの問題はない」、
「リスクのない食品は無いし、交通事故リスクの方が高いのに、気にしていたら何も食べられない」
沢山コメントしても、「牛丼にはリスクを取る価値がある」とかって「要点」しか載らなくて残念。
ニュアンスは違うけど、大枠は合ってるから良しとしますか。

インタビュー風景。自分のインタビューは撮影できないので、二番目の人のインタビュー風景を撮影。
どこの番組か忘れたけど、生中継もありました。
レポーターが牛丼の中継をする際のワンカットとして私へのインタビューがあるだけなので、
事前に「コメントは簡潔にお願いします」と言われてたこともあって、
「夜の11時から並んでます」と「どきどきしています」という一言コメントを発しただけ。
それでもリポーターは自分の台詞や、私へのフリがあるから、
私へのインタビュー部分を除いて、何度もリハーサルしてました。
リハーサルってわかってるけど、「すいません、今何をされてるんですか?」とか聞かれたら
どうしても答えてあげたくなっちゃいますよね。
ちなみに私との質問の受け答えのリハーサルは1回だけ。重要度低いのかな。
行列の方は9時半過ぎにようやく3人目到着。
4人目以降はいつ来たかわからないけど、10時半頃には「行列」になってました。
取材と次の取材の間には、読書の暇は無いけど待ちぼうけには長すぎるので、
ここに載せたような写真を撮影したり、二番目の人と隣の人と雑談したり。
ただ、3番目の人やマスコミとはあまり話せなかったのが残念。
ちなみに取材の連続でしゃべり続けて口が渇くので、買っておいた水をよく飲んでました。
夜中は殆ど喉が渇かなかったのに、意外な所で役立つもんです。
そんなこんなで、報道陣の増えだした頃の9時過ぎに、1台の小机がおもむろに登場。
担当者らしき人が机の前にいて、机の上には資料っぽいビラがおかれ、
報道陣は名刺を差し出したり記帳したりして、ビラをもらっていく。
この様子から察するに、吉野屋側が準備した報道陣のための受付台らしい。
そして、9時半頃に、吉野屋側からマスコミ向けの説明会が開催され、
拡声器を片手に何か言っていたが、その間も取材されてたので、内容は不明。
牛丼販売開始の際の流れの説明や、各社のカメラ位置の決定などが行われたと推測。
実際、報道各社が席順と思われるくじ引きをひいてたから間違いないでしょう。

左)受付台を挟んで、取材する側と、資料を渡して対応する女性担当者
右)吉野家関係者によるマスコミ向け説明会。みんな担当者の方を向いてる。
そんな取材で忙しい合間に、とあるおじさんが近づいてきて、本を一冊贈呈された。
本と一緒にくれた名刺によると、信州大学教授という肩書き。
テレビの中継を見て、徹夜で並んだのに感動したらしいけど、
名刺によると長野県在住なので、中継を見てきたというより、
テレビに移して著書を宣伝しようという意図もあったはず。
実際、取材をうけるのに本が邪魔だったのでカバンの中にしまっておいたら、
しばらくして「彼女にも一冊どうぞ」といってもう一冊くれて、
みんなに見えるようにしといて的な事を言って去っていったし。
彼女いないし2冊もいらないので、隣の二番目の彼に押し付け贈呈。

そうこうしてるうちに10時45分頃、4人の吉野家店員登場。
遂に牛丼復活宣言なるものが行われるらしい。
宣言を行う店長は、取材慣れか、体格かのせいか不明だが、貫禄も十分。
4人は、電通や報道陣からの指示で、私の斜め前あたりに整列させられます。
それは吉野家有楽町店がカメラからみて丁度背景に映る位置。さすが!
復活宣言を取材しようとしている報道陣もすごい数。
店員を扇状に取り囲むように、
前方には新聞・雑誌各社と思われるスチルカメラ集団が約30台、
その後ろには脚立にのったテレビカメラが20台弱、
店員の左右にはICレコーダや速記を携えた記者集団、
そして隙間を埋めるようにいるスタッフや、全体を取り巻くようにいる野次馬、
行列をしている我々に加えて、その目の前には生中継をしているレポーター。
私への取材は単発式だったけど、これはもう集中砲火。比較になりません。
あまりの報道陣の数に、思わず私もデジカメで撮影を始めてしまった。


上段:復活宣言の様子、宣言しているのが有楽店の店長。
下段:その宣言を取材している報道陣の姿。目の前にいるのは中継しているレポータ。
「お待たせ致しました。只今より、牛丼復活祭を実施致します。
一日限りではございますが、精一杯提供させて頂きます。よろしくお願い致します。」
宣言自体は10秒程度の短いものだけど、
現場がガード下なので、電車が通らないタイミングで宣言したり、
うまく撮影できなかったカメラのためにもう一度宣言したりと大変でした。
この牛丼復活宣言の前後に、TBSの「きょう発プラス」の生中継がありました。
復活宣言の生中継を企みながら、ちょうどCM中でうまく放送できなかったっぽい。
レポーターが丁度私の目の前にいて、状況をレポートしてたんですが、
店内に移動する直前になって、取材開始。
「かばん見せてください」→(中身をレポータに見せる)
「土砂降りだったでしょ?」→「来るときは降ってなくて、待ってるときの方がすごかった」
「なんでそんなに食べたいの?」→「おいしくて、早くて安くて、いいことだらけ」
「そんなに心待ちだった?」→「そうですね、待ちに待ってました」
11時が迫ってて荷物を片付けなきゃいけないかったので、取材後急いで準備しました。

TBSの「きょう発プラス」。右側の携帯電話持ってる男の人がレポータ。
ちなみに生中継では、スタジオと現場の連絡手段としてか、ディレクターっぽい人が、
携帯電話を取材中ずっと使ってたけど、今回はレポータが持ってました。
取材方法やテレビ局とかによって使い方が違うのかなぁ?
実は復活宣言の少し前に、吉野家関係者(電通)から入店方法についての指示があって、
先頭から3人は、座る座席が指定された。
有楽町店には4つのカウンター(各カウンターに手前と奥の2列の座席)があって、
一番奥のDカウンター手前列の4,5,6番目の席に座ってとのこと。
なぜなら、カウンター奥列(つまり店の最奥側)に、カメラが整列して、
3人を筆頭に全員が牛丼を食べてる様子を撮影することになってるから。
遂に11時ちょっと前に入店開始。
私が待機してた場所から入口まで5mくらいあったけど、
店に入る様子を撮影するために、カメラがまるで花道を作るかのように勢ぞろい。
ただ残念なことに足早に歩きすぎたせいか、
入店時の映像は二番目以降の人が入店する様子がテレビではよく使われてます。
店内に入ってすぐに座席に向かおうとしたら、電通の人からストップと言われた。
入店を撮影してたカメラが、店内に移動するから入口まで下がって待機とのこと。
柱の影まで後退し、その間に多数のカメラが入店。
放送では違和感ない映像もこうして作られるわけで、裏側を垣間見た瞬間です。

吉野家店内の様子。最奥列に報道陣が入ってる最中。手前のスーツ男性は電通の人。
店内に入ったときの印象は、まず、涼しい。
なぜならこの日の最高気温は27度まで上がったうえに、
行列してた現場は現場はガード下で風通しが悪いから、
マスコミの多さで熱気がこもって暑かった。
そんな中で冷房の効いた店内に入ると、まるで異世界。
もう一つ印象があって、それは店員が約20名いて、圧巻されたこと。
昨晩までは手前の2カウンターしか使ってないので、単純計算で倍、
更に牛丼限定販売ってことで大量の客が来るので確かに妥当な人数。
それにしてもこれだけ大量の店員が配置されてるのを初めて見ました。
退職した人とかにも声かけてるみたいだけど、本当によくかき集めたと思う。
そんなことを思ってる間に、報道陣は移動完了。
というわけで入店シーン再スタートして、指定座席に着席。
お冷が出され、一番に「並」と注文。続く2人も相次いで注文。
純粋に牛丼の味を楽しみたかったから、紅生姜もつけない予定。
「大盛ねぎだくギョク」にしたかったけど、ねぎだく不可だったらしいから丁度いいか。
そして遂に待ちに待った牛丼登場。
しかしここで最大の問題発生。
事前の打ち合わせでは、順番に牛丼が運ばれてくることになってて、
私の牛丼が一番最初に来るはずだったのに、店員がそれを完全に無視!
先頭の3人を差し置いて、カウンター奥の3人に先に配膳した上に、
4番目の牛丼を私ではなく、行列2番目の彼に出し、私はなんと5番目ですよ。

配膳の決定的瞬間。最前の店員と、その右奥にいる店員の共犯。
奥の男性3人は行列の先頭ではなかったのに、既に牛丼が来て食べてる。
しかも店員が持ってる牛丼は私ではなく、右の男性用。順番守れと。
写真引用→TBS:イブニングファイブ
牛丼おいしかったし、怒るわけではないけれど、配膳順は守ろうよ。
それとも何か、店員かき集めたから質が低い店員がたまたまそこにいたとかか。
折角一晩待ってたのに、こんな扱いされて、少しショックだし、
おかげで一番テレビに出やすい牛丼を食べるシーンにあまり出れなかったし、
報道陣も事前の通告と違うから、誰を撮影していいかちょっと迷ってたし、
何より、全体を取り仕切ってた電通の人が「順番違うじゃん」とか言って切れかかってた。
色々あったわけですが(というかまだこれからもあるわけですが)、
950日(1日限定販売を考えると584日)ぶりの牛丼をおいしく頂きました。
昨晩の豚丼が夕食だとすれば、これは朝食。どうりでお腹すいてるわけだ。
久々に食べた吉野家牛丼の味は「すきやき」を彷彿とさせられて、
他の牛丼屋とは一味違って、やっぱり肉が柔らかくて旨い。
他店ではごはんのおまけに牛肉があるけど、吉野家は牛肉がメインみたいな感じ。
例えるならスーパーの特売品と、ちょっと奮発した肉みたいな違い。
余計わかりにくくなったかな…

豚丼並盛:写真引用→吉野家
仕事柄(=SE的学生)食べるのは速いので、食べ終わるのは二番。
できれば一番に食べ終わりたかったけど、さすがにあの憎き配膳の差はでかい。
しかし、やはり12時間待った人というステータスは大きいらしく、
最初に食べ終わった人は何事も無かったのに、私が会計しようと席を立ったら、
カメラさん達から撮影したいので「少し座っていてください」と指示。
そして「食べた感想をお願いします」と予想通りの質問。
電通さんからの事前通告では、コメントは店の外に出てからってことだったので、
少し戸惑いながらも「本当にジューシーで美味しかったです」と発言したところで、
案の定、電通さんから「店外でお願いします」と言われてしまった。
吉野屋側としては邪魔になるので外に出したいし、報道側としては現場で撮影したい。
せめぎ合いですね。
そんなわけで、電通に先導というか護衛されながら店外へ移動。
私が引き連れているかのように、報道陣も2〜30人が同時に移動開始。
移動してる間も、記者達から「味はどうでした?」とか質問され続けるけど、
「移動してから答えます」のような返答してて、まるで有名人になった気分。
こういう状況になることがわかってたから、牛丼前に取材に来た記者は大抵が、
「食べ終わったら是非コメントを」ってしつこく頼んで来たんだなと今更実感。
店の外に連れられて、結局10mくらい離れた開けた場所まで移動。
そこで記者会見というか取り巻き取材が行われました。
前方中央にはスチルカメラ、その隙間からテレビのハンドマイク
前方後方にはテレビカメラ、上側からはブームマイク
左右にはレコーダやメモを片手にした記者という、
総勢40名ほどの報道陣が私を取り囲むように配置。半径3mくらいかな。
それにしても、たかがコメントを求めて報道陣がこんなに群がってきて、
芸能ニュースとかでよく見る光景が、まさか現実のものになるとは想定外。
これだけ多いと報道各社の位置が決まるのも大変で、
取り巻きの半径が最初狭かったので、「もっと広がろう」とか、
テレビカメラの視界に入るので、スチルカメラに向かって「スチルしゃがめ」とか、
罵声が飛び交ったりもして結局5分以上かかったと思われる。
しかも電通はいつの間にか消え、男性レポータ(幹事社?)が取材進行を司ってた。

左)取材風景、右隣の白スーツの人が司会進行=代表質問者。
写真引用→TBS:イブニングファイブ
右)おまけでついてきた手ぬぐい、タオルではなく薄い布。
取材は、まずは進行役の人が代表して質問をした後に、
追加で質問したい社があれば、そこが発言するという、まさに記者会見スタイル。
報道陣の多さに気圧されて、質問の内容とかは殆ど覚えてない。
10件強の質問があったはずだけど、記憶と放送内容から次のように推測。
「牛丼の味はどうでした?」→「ジューシーでおいしかった」
「12時間待ってしんどかった?」→「食べた瞬間、苦労も吹き飛んだ」
他は、米国産牛肉への不安とか、それまでの質問と同じようなものだった気がする。
現場は、最高気温高い+ガード下で風通し悪い+報道陣多すぎ、という相乗効果で、
すごく暑くて、当然のように大量の汗が出てきた。
タオルは持ってきたけど、かばんの中で出すのが面倒だったので、
吉野家で牛丼を食べるともらえる、特製手拭いを早速使ってみたら、
「それは何ですか?」とか「広げてみせてください」とかマスコミの反応は予想通り。
ただ、そのシーンって放送されてるの見たことないから、カットされたかな。
取り巻きの集団取材が一応終わったあとも、個別に追加取材が数件あって、
「本当のところ味はどうだった?」とか、本音を探り出す質問が多かったかな。
別にコメントを強制されてたわけじゃないし、本当においしかったから、
ありのままをコメントしたわけだけど、ちょっと嘘っぽかったかなぁ?
私が取材受けてる間に、二番目の彼も出てきたので、
「すごい報道陣の数」だよねとか雑談したり、
散発的な取材をうけたりしながら、まったりすごしてたら、
11時半くらいに報道陣の動きがにわかに激しくなって、吉野家入口前に集まりだした。
何の取材が始まるのかと思ったら、なんと社長が来て会見するらしい!
有楽町の現場で記者会見!本社じゃないんだ!
私のインタビューのときもそれなりのカメラや記者がいたけど、
社長の場合は、ほぼ全ての報道陣が集合で、比較にならない。
報道陣の数が多いと、撮影場所を決めたり準備するのも大変なようで、
騒がしくなってから社長が出てくるまで15分くらいかかって、
それから更に会見が15分ほど行われたから12時くらいに終了。
私も社長を生で見るのは初めてなので、カメラ片手に野次馬しようとしたけど、
報道陣の壁に邪魔され、隙間から一瞬見えるだけで、なかなか激写できない。
それでもサイドまで回り込んだり、根気強く待ったりして、ようやく激写。
アングルはよくないけど、いい記念写真が撮れたので満足。

左)横に回りこんで、わずかにあった隙間から激写した一枚。なかなか良いショット?
右)朝日新聞2006年9月19日14版経済面(9面)に掲載された取材風景。
レポータしか見えてないが、この外側にもカメラが大量にいる。
折角だから手拭いにサインもらえばよかったなぁと終わってから後悔。
社長の取材が終わると、報道陣も撤収開始。
それでも牛丼完売を撮影するためか、テレビ局系は殆どが残ってた。
居残ってた彼らテレビ局は何をしてたかというと、
道行く人に米国産牛肉のアンケートや、牛丼再開の感想を聞いたり、
牛丼をトレーと丼ごと屋外に持ち出して撮影したりと仕事熱心。
それでも時間はお昼時で、お腹もすいてきたようで、
やっぱり取材に来るぐらいだから牛丼好きな人も多いらしく、
いたるところで牛丼を食べてる姿を見かけるようになった。
撮影用に屋外に持ってきた牛丼を食べるレポータや、
スタッフがテイクアウトで買ってきてみんなで食べてるクルーや、
テレビカメラを持ったまま店内で食べてるカメラマンなど、
有楽町店でしか見られない貴重な光景が広がってました。
ピーク時はテイクアウト行列の半分がマスコミ関係者じゃない?くらいの勢い。

取材が一段落ついたところで牛丼を食す関係者たち。
取材も来なくなったし、私もお土産用の牛丼を買って帰ることに。
家(or研究室)に持って帰っておやつにしようという魂胆と、
手拭いを使ってしまったから未開封が欲しいということで、テイクアウト。
無駄話してた二番目の彼もテイクアウトしようかと言ってたので、一緒に再行列。
店内で牛丼食べるなら、並ばずにすぐに入れるのに、
テイクアウトは後回しなのか、「行列」を演出したいだけなのか、
30人くらいしか並んでないのに、20分くらいまってようやく購入。
ちなみに今回は半熟玉子もつけました。

左)テイクアウトの最後尾には、案内役の警備員が立ってました。
右)テイクアウトカウンター越しにみた店内、みんな牛丼。
テイクアウト行列を待ってる間に、更に2社くらいから取材を受けて、
「昨日の夜から並んでた人ですよね?」「また並ぶんですか?」とか質問され、
テイクアウトしてる様子を撮影もされました。
私としては報道陣が牛丼食べてる姿のほうがよっぽど面白いけどね。
そして無事にテイクアウトを購入した私は、二番目の彼と別れて、
新橋駅から来た道を戻るように自宅へ帰るのでした。
牛丼に関してはこれで一段落かと思いきや、むしろこれから本番。
一晩並んで牛丼を食べた東大生ということで報道されだすわけです。
18日の中継と夕方から夜のニュースだけに留まらず、
翌日の新聞やニュース、果ては一般人のブログ(日記)など広範囲に拡大。
報道されるに従って、友人・知人が目にする機会も増えるわけで、
18〜19日にかけて「見たよ!」とか「アレはお前か?」とかいう連絡が、
電話で8人、・メールで13人・ネットで18人もあって、なかなかの人気ぶりを誇ったわけです。
意外にみんなニュースとか新聞見てるって方が驚いた。
連絡をくれた人の中には、もう数年間音信不通だった人とか、高校の先生とか、
メアド変更を知らなくて誰だかわからない人とか、バラエティに富んでたから、
全然飽きなかったね、むしろ返事するのが大変なくらいだったし。
しかも実家に住んでる子とかは、親と一緒にテレビ見たりして楽しんでたそうで、
変な友達だと思われたに違いないが、家族団欒の一助になれたのなら、それでよし。
連絡が無かった人も、やっぱりテレビで見ていたようで、
研究室に行ったらみんなから言われるし、
教授からも「見ましたよ」って言われるし、
極めつけは生協窓口に行ったら「テレビに出てましたよね?」って言われた。
もはや知らないのは、テレビを見ない子か、海外旅行に行ってた人くらい。
逆に直接の知人でない一般人が、ブログとかで話題にしてる内容は、
「東大生」や「徹夜」、「米国産牛肉」を罵倒してる内容が殆ど。
まぁ、こういう人も1,2割はいると思うので、華麗にスルーしたいが、
折角だからこの場で簡単に反論しておこう。
「税金使う国立大学生のくせに…」→「夏季休暇かつ祝日ですが何か」
「徹夜するほど暇なのか」→「ちゃんと参考書読んでましたが何か」
「こんな奴が官僚になるのか」→「じゃぁ貴方がなったらどうですか」
今回の牛丼のまとめ
・徹夜の必要性は無いが、おかげで牛肉搬入を見れた
・報道の裏側を垣間見れた
・一生分のメディア出演を果たした
・疎遠だった人と連絡とるいい機会になった
・今度は仕事の成果とかでマスコミが殺到するようなことをしたい
10月1日に牛丼が再び販売されるということで、懲りずに有楽町に行って来ました。
前回、二番目が来たのが8時半ってことで、教訓を生かして8時半に到着。
案の定、誰もいない。
とりあえず、ゲームしたり読書したりして待ってると、
男の人が近づいてきて名刺をくれて自己紹介されました。
NHKの人らしく、翌週の「経済羅針盤」という番組で社長が出るから、
そのために、牛丼を食べてる風景を撮らせてもらうかもしれないとのこと。
お互いに牛丼開始まで時間があって暇なので、しばらく雑談をしてて、
「前回も来ました?」→「徹夜して並びました」→「あぁ、ウメキさん?」
みたいなやりとりもあったわけです。
18日は取材で少し離れた場所にいたらしいから、面識なかったのね。
で、またしばらく一人で待ってると、店長と店員が登場。
挨拶されたあと、「前回は一番に出せなくてすいませんでした」と謝られ、
「今回は必ず一番に出しますので、安心してください」と言われました。
あぁ、やっぱり配膳順を間違えたことを気にしてたのね。
牛丼35分前の10時25分にようやく二人目登場。
何が驚いたかって、やってきたのが50歳くらいの老夫婦だったってこと。
吉野家って若者だけの店じゃなかったのね!
それから、行列は急激に成長しはじめて、10時45分には、15人が、
牛丼5分前には30〜40人が、そして入店する頃には50人以上が行列。

左)取材に来たのは吉野屋だけ。
右)18日と同様に牛丼を求める長い列ができていた。
座席は一番奥から詰めて座るように指示されたので、店内の最奥へ。
そして並と半熟を注文し、おいしく頂きました。
そして、会計を済ませて退店。
出口付近で、先ほどのNHKの人にコメント求められたけど、
徹夜明けで頭があまり働いてなくてグダグダな事しか言えなくて反省。
その後、再び吉野家に入って、某マヨラーに薦められたとおり、
マヨネーズをかけるという暴挙に出たわけですが、
はっきりいって、この世のものとは思えないマズさを発揮してました。
こんなのを美味しいという香具師は逝っていいです。

紅生姜の赤とマヨネーズの白で見栄えは良いが、マヨネーズ+ごはんが最狂の味を奏でている。